Dear Doctor

先週の話だが映画「Dear Doctor]を観た。
笑福亭鶴瓶主演の偽医者が主役の映画だ。コメディアンとしての鶴瓶はあまり好きではないのだが、俳優としての彼は実にうまい。台詞にならない表情・息づかいみたいなものが巧みだ。

またこの映画で改めて八千草薫という女優に惚れ直した。胃がんに冒される未亡人役だが、田舎の農村で百姓をしながらもどこか上品な、負けん気の強い女性を演じている。老け役だが色気を感じさせる。今の女優界でいやらしさが無くあの色気を出せるのは八千草と吉永小百合だけかもしれない。。。

映画としては評判どおり、良い内容と出来だった。
あえて村の人たちの医者先生への評判を控えめにしたのは製作の意図だろうと思うが、美味しい料理を食べた後のデザートがイマイチだったときの残念感のようなものが残る。犯罪であろうがなかろうが、人のために尽くした人に対してもう少し賛辞があって、それでも警察当局は捕まえざるを得ないという葛藤を炙り出す意図は無かったのか?それではありきたりだからそうしなかったのか・・・?

ラストシーンの八千草のベッドに変装した鶴瓶が食事を届けるシーン。
ちょっと唐突過ぎてどうかと。。。
散歩に出たときに遠くから覗いているような、それが八千草には鶴瓶かどうかも分らないけどきっとそうだと信じて深々とお辞儀をする といったような、もうちょっとほろっとくるような再会シーンであって欲しかったなぁ。