費用対効果

日本人は好きですよね。この言葉。
確かに経営者の端くれの私としてもこれは無視しては仕事が出来ない。
しかし今日言いたいのは、一企業とか国のたったひとつの事業についての費用対効果でなく、大きな意味での費用対効果の話。

JR福知山線の事故から8年(?)経ったが結局会社としてのJR西日本の責任追及はできず、当時の社長の刑事責任も問えず、被害者とその遺族は怒りの持って行き場がない
という番組を昨日NHKでやっていた。
今の刑法では明らかに法を破っていたモノにしか刑事罰が問えない。社長は起訴されたが彼本人が彼自身が法を明らかに逸脱していない限り、事故の責任は問えないのだ。
一方、イギリスは「組織罰」という考え方を導入し個人ではなく団体組織を刑事罰で訴えることが出来るように法改正したという。組織側としてはたまったものではないだろうが、こうでもしない限り結局トカゲの尻尾きりで誰か特定の一人を罰することでチャラにしようという考えになってしまうことは仕方の無いことだ。厳しい対応が組織には求められ、同時に誰も他人のせいに出来ないという責任感も生まれる。英国政府も議論したらしいがこの法律が抑止力となり事故が減れば、例え事故を起こした組織(会社)が莫大な罰金を請求されたとしてもTotalの社会的コストは下がるはず。実際、ここ2年で事故発生率は下がっているとのこと。
賛否両論があるだろうが私は評価したい。

別の話題で、小学生の通学の列に車が突っ込み何人かの命が奪われるという痛ましい事故が後を絶たない。それなりに対応は個々にしているのだろうが繰り返し起こるということは恒久的に対策が効いていないということだ。
私の尊敬する人のブログでこの点に触れており、欧州では通学路とか重要な道路の入り口には人工的に作った凸があり、スピードを落とさないと車が通れないようにしてある。ドライバーには不評だが誰もあれを無くしてしまえとは云わない。安全とはそうやって勝ち取っていくものだというような主張であった。
全くもって同感である。日本みたい狭い道が沢山入り組んでいる、商業地区と居住区が隣り合っている、児童生徒が集団登校せざるを得ない、なんて国ならいち早くやるべきことだと思う。他国がやっていることだから知恵も要らないし、何より皆の好きな「費用対効果」はすぐにでも元が取れるでしょう。人の命は地球より重い なんてきざな台詞を堂々と言っちゃうような先生方ですから、たいそう立派な凸が作れると思うのですがね。。。通学路用に地下道を作るなんてバカな事(土建屋さんのための)するなら1万個くらいの凸すぐ作れますよ、国土交通省さん!!